神智学協会について

神智学協会は、1875年11月17日にニューヨークで、H・P・ブラヴァツキー夫人とオルコット大佐等により結成され、1950年4月13日にインドのマドラスにおいて法人組織となりました。その三大目的は次の通りです。

1)人種、信条、性別、階級、肌の色の違いにとらわれることなく、人類愛の中核となること
2)比較宗教、比較哲学、比較科学の研究を促進すること。
3)未だ解明されない自然の法則と、人間に潜在する能力を調査研究すること。

神智学協会は、既成宗教に所属するしないにかかわらず、協会の目的に賛同した会員から成ります。すなわち、宗教的対立を取り除こうとする願い、宗教的見解がいかなるものにせよ善意の人々を糾合しようとする願い、宗教的真理を研究しその成果を他人と分かち合おうとする望みによって結びついた研究者から成ります。会員たちを結びつける絆は、共通の信仰の告白ではなく、真理に対する研究と熱望を同じくする点にあります。
真理は研究、熟考、清純な生活、高い理想への献身によって求めるべきものです。真理は権威によって教条として押し付けられるものではなく、各人が努力して求めるべき褒美であると我々は考えます。信仰は各々の研究ないし直感の成果であり、前提ではなく知識に基づくものであって、主張に基づくものではありません。私たちはすべての人々、不寛容な人々に対してすら寛容の手を差しのべます。これは恩恵として行うのではなく、義務として行います。私たちは人々の無知を取り除こうと努めますが、罰しようとはしません。神智学の会員はあらゆる宗教を神智の表現とみて、他宗教を非難することよりも研究し、改宗を強いることより礼拝することを選びます。平和は私たちの合言葉であり、真理は私たちの目的です。
神智学はすべての宗教の根底を形成する真理、すなわち、いち宗教の排他的専有物ではない一群の真理です。神智学は生活を知的のものとする哲学、進化を導く正義と愛を証明する哲学を提供します。また、死を無限の生命の中で繰り返されること、つまり、より充実した輝かしい存在への門戸を開くことと解釈して、死の正当な意味を教えます。神智学は霊の科学を世界に復興させるもので、霊こそ人間そのものであり、心と肉体は霊の召使いであると教え、諸宗教の教典や教義のヴェールの下に隠された意義に光明を与えて、それらを直観知で正当化するとともに、それらを知性の法廷で正当化します。
神智学協会の会員は、これらの真理を研究します。神智学協会の会員はこれらの真理を実践することに努めます。研究心をもつ人、寛容であろうとする人、高い理想を目指す人、辛抱強く働こうとする人は誰でも、会員として歓迎されます。真の神智学協会の会員となるかどうかは、会員各自の努力によります。